小学校5~6年継続生・英語英会話【PA】クラスでは、この一年間、アメリカはモンタナ州を舞台に、文化の違いにも触れながら中1~中2相当の英文法を含んだ表現を学習してきました。
先週のレッスンでは、以前もテキストに登場したアメリカ先住民のある一族に伝わる「世界のはじまり」にまつわる民話を読みました。
キリスト教ならこんな話があるから日曜が休みなんだよ、日本だとどう?イザナギ・イザナミ?なんて話をしながら読んでいたのですが、一人の生徒がドキっとすることを言いました。
「え?これが先住民族の絵?肌白すぎへん?」
…なるほど!
確かに先ごろ大坂なおみ選手のイラストの肌の色が白すぎてCMが打ち切りになったり、風刺漫画でも同様の問題が先に起きていて、問題視されていたことを子どもたちも見聞きしていたようで、この点にも意識がいったようです。
実際のところインディオの肌が何色というのは微妙なところなのかなと後で検索して思いましたが、それにしてもこれって素晴らしい気付きだと思うんです。大多数が同一民族の日本という国では、普段レイシズムについて深く考える機会がこれまでなかったように思います。私も大人になって海外に行くようになってから、こんなに人種問題が普段の生活の中にふつうに起きているんだ!と驚きましたし、最悪の場合はそれで命を落とすこともあること、そんなニュースを目にするたび未だに驚きを覚えます。
しかし、日本でもこういった問題に子どもたちが気づく時代になったんですね。たまに寝た子を起こすな議論的解決法を説く方もおられますが、私はそれには反対です。問題がおこっていることを知らずして自然と解決に導かれるわけがない。人種問題だけにかかわらず、男女格差、部落差別、民族問題、貧富の差、数えきれない問題が世界には溢れていて、人々がその問題を認識することでのみ世界は良くなっていく、そう思います。
話のついでに、イエス・キリストの肌の色って何色だったと思う?と皆に聞いてみました。
これについても、私も子供の頃は疑問にすら思ったことがなかったのですが、大人になって海外にいくようになり、いろんな宗教画を目にする機会が増え、ガイドや現地の方の話を聞くにつけ、はっきりと古い書物に「黒褐色」と書かれている、と言った人もいたし、書かれていたわけではなくても、今では黒褐色、黒髪、ダークブラウンの瞳という説が有力です、と話されている方が大多数でした。それなのに肌の白いもの、目が青いもの、時には神が金色なものなど、人々の「願望」が表された絵、その願望の意味とは…と思いを馳せると、どう?と子どもたちに問いかけてみました。
ま、じゃぁ結局何色だったの?と言われても私も答えをもっておらず、かつ何色だったとしてわりとどうでも良いのですが(どうでも良くない方がご覧になっていたらごめんなさい)、これに関しても子どもたちの意見は様々で、楽しませてもらいました。
少し話は違いますが、最近読んだ本で、現代人がどれだけ事実を正しく認識していないか、ということについて詳しく書かれた本がありました。
みなさん、わりと世界の「こちらがわ」と「あちらがわ」に分けて話したりしますよね?
ところでこちらがわってどこ?あちらがわって具体的に誰?本当に世界は二極化されてるの?というファクトチェックがこの本で出来ます。
チンパンジーより人間の方が正解率の低い10の質問を一つずつ解説、 世界を二極化するより、vast majority of people がどこに位置するのかを正しくしることが大切で、人々の暮らしは文化や宗教でというより、4つの生活ランクによって驚くほど同じように変わっていくということ、また陥りやすい10の思い込みによって起こり得る過ちについても実例がまじえて述べられており、正しく世界を見ようとすることの難しさと大切さについて考えさせられました。
こういった子どものちょっとした疑問にも、そんな話を交えながら応えていけたらなと思う今日このごろです。
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