君の名は

昨夜は「君の名は」が初めて地上波に登場しましたが、みなさんご覧になりましたか?わたしは公開当時子どもの付き添いで見に行って、内容を知らずに見に行き大きな衝撃を受け、嗚咽が漏れそうなレベルで号泣し、えらい目に遭って帰って来た映画です。


見た人それぞれの中に違った物語がある、それはどんな創作物でもそうだとは思いますが、とくにこの「君の名は」ではその振り幅が激しくて、だからこそSNSで人々が話題に挙げ、それが連鎖して空前の大ヒットとなったのだと思います。


というわけで、裏から聞いてきた人にはそっとお伝えしてはいましたが、公には書いていなかったわたし自身の「君の名は」について、ちょっと書き記しておこうかと思います。何年か先、またストーリーを忘れてしまった頃に再度「君の名は」を見た時に何を思うのか、そしてその時に読む用に置いておきたいなという個人的なモノですので、そんなんいらんわーいという方、また映画をまだ見ていない、という人にとってはネタバレも含むと思いますのでそれは困る!という方はここで去ってくださいね。


さて。


前述の通り、SNS上で話題にのぼっていたアニメ映画、それも長男が聞いていた影響でわたし自身もよく聞いていた Radwimps が音楽を担当していて、それが非常にハマっているらしいとも聞いていたので、どんな感じなのかなぁとまだ小学生だった次男とその友達が見に行きたいというので付き添いも兼ねて、ほんとに軽い気持ちで見に行った「君の名は」。


隕石で滅びた村。一瞬にして何百人もの命が失われた大惨事。それは私に東北の震災を、特に大川小学校について思い起こさせました。大川小学校にまつわる話については、当時新聞やテレビで繰り返し伝えられていて、たまたまその日学校を休んだために難を逃れた子がいたり、また逆に体調が優れなかったけど送り出してしまった親御さんがそのことをずっと悔いていたり、地震の後すぐにピックアップに向かった親御さんがいたり、そうしなかったことを悔いている方々がいたり…なぜあの時山手側に逃げてくれなかったのか、なぜ皆が死なねばならなかったのか、出来ることなら時計を巻き戻してあの日あの場所にいって伝えたい、こちらに逃げてくれと伝えたい、何度も繰り返し助けようともがくけど助けられないという夢を見ては涙を流しながら目覚める朝を何度となく迎えた方々がいるかもしれない、そういう思いがグルグルと頭の中にうずまき、やばい、知人に東北で命を落とした方がいない私ですらもう嗚咽がもれそうなのに、大切な誰かをあの震災で亡くした人がこの映画を見たら、どうなってしまうだろう…。


それとは別に、大きくえぐられたのは、忘れてはいけない人、忘れたくない人、その人の記憶が自分のなかからこぼれ落ちていくところ。

震災でなくても、大切な人を失った悲しみと、それに反比例して失われていく記憶、記憶が薄れることがなければ生きていけないなんて事を言う人がいても、忘れたくない、大切な人が残した言葉、その一挙手一投足を忘れたくないのにすべてを留めておくことができない、そうして忘れてしまうことが大きな罪のように思われ、押し潰れそうになる恐怖。自分が今までなくしてきたものが走馬灯のように頭の中を駆け巡ると同時に、この監督は一体今まで何をなくしてきたのだろう、何が彼をこの映画製作へと突き動かしたのかななんてことも考えていました。


映画の中で過去が書き換えられたと分かったとき、現実では絶対に不可能な事がおこるのはフィクションだからこそなのですが、このエンディングは果たして我が子を失った悲しみから永遠に解き放たれることのない親たちにとってどの様にうつるのだろう。そんな風に思いながら、涙はとめどなく流れていました。


そしてそんな中、突き抜けるような青空ともに耳に入って来たラストシーン。


二人の間 通り過ぎた風は

どこから寂しさを運んできたの

泣いたりしたそのあとの空は

やけに透き通っていたりしたんだ



横では子どもたちがハッピーエンドやなぁとポップコーンをほおばっているのとは裏腹に、一人号泣のわたし。


少し後に小学校高学年の生徒の一人がLINEのタイムラインに、「運命の恋、素敵!」というような感想をシェアしていて、えっ…そうか、子どもたちにとってはただのサイファイ恋愛映画なのか!とびっくりしたことを覚えています。


「君の名は」が稀有だったのは、前述の通り個人によって感じるものが、本当に違ったであろうこと。そしてそれがトレイラーからは全く想像できなかったということ。自分が感じたものをもう一度確認するために再度映画館に足を運ぶ人も多かったこと。レ・ミゼラブルのようなミュージカル映画というわけでもないのに、映画と音楽の融合具合が他に類を見ない程密だったこと。挙げればキリがないのかもしれません。


私は衝撃がひどすぎて絶対もう見に行かない、またあんなに泣きたくない、と思っていたのですが、期間限定で特定の映画館でのみ上映された、英語字幕&英語主題歌バージョンをなんばまで見に行ってしまいました。なので英語版の Nandemonaiya のリンクを貼っておきますね。

英語版が出る!と発表された時には歌詞が出るのがCD発売後で1ヶ月とか2ヶ月とか間があったんだったかな、なので必死こいてディクテーションしたりなんかして、学生時代に戻ったかのようなフレッシュな衝動をも与えてくれた、本当に近年稀な映画でした。



ちなみに本編を見ただけでは、どのようにしてみつはが頑ななお父さんを短時間で説得できたのかが不明だと思いますが、そのあたり、本編には登場しなかったみつはとよつはのお母さん、二葉について、またなぜあの映画の中で急にオタク映画によくありがちな胸の大きな揺れが描かれていたのかなど、コレを読むとその全てが明らかになる、という小説があるのでそちらのリンクも置いておきます。

願わくばこの映画が誰にも彼にも優しくありますように。

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